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高知・本山町の家

2011.11.11

日本、とりわけ太平洋側の一帯は、四季の変化に富んだアジアモンスーン気候である。夏は亜熱帯のように暑く湿度が高く、冬は時に雪が降るほど寒く乾燥している。春と秋の中間期は過ごしやすいが、春から夏にかけての梅雨時は、蒸し暑くて雨が降り続き、夏から秋にかけては台風の通り道となり、暴風雨に見舞われる。これほど多様で変化に富んだ気候は世界でも珍しい。日本の民家には、四季の変化に適応した多様な建築要素を見ることができる。

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茅葺屋根、小屋裏、低い軒高、深い庇、縁側、高床、畳、明かり障子や襖、これらの建築要素は日本の気候風土が生み出した気候制御装置だといってよい。とはいえこれらの建築要素は、ほとんどが夏の暑さと湿気に対処する装置である。兼好法師が「徒然草」の中で「家のつくりようは夏を旨とすべし」といっているが、冬の民家は寒さと隙間風に苛まれる。一方、北ヨーロッパは、冬はきわめて寒く湿度が高いが、夏は乾燥していてそれほど暑くない(最近は温暖化の影響で、必ずしもそうではなくなってきたが)。したがって暖房は必要不可欠だが、冷房のある住宅は少ない。つまり北ヨーロッパの家は「冬を旨」として技術的な進化をとげてきたのである。