日本では、家づくりの相談相手とは多くの場合、売り手に属する。いわゆるハウスメーカー、工務店、設計事務所である。ここに家づくりの最大の矛盾がある。通常、こうした難しいものには、間に入ってくれる業種が必ず存在する。登記をするには司法書士、裁判を起こすなら弁護士、確定申告するなら税理士というように公に認められた、中立の立場でお世話をしてくれる人が必ずいる。しかしながら、家づくりにおいては、こうした第三者は今までは存在しなかった。相談を受けてくれるのは、すべてが売り手だ。わかっていながら、誰もが売り手に相談する。売り手には売らんがためのアドバイスはあっても、中立的なアドバイスなどありえない。事実、私もハウスメーカーの営業をしているときは、すべてとは言わないがそうだった。鉄骨系のメーカーにいたのだが、在来木造志向のお客様が来ても、コストアップには極力触れず、内装はいくらでも自由ですからふんだんに木を使えますよとか、地震、火事に強いですよとか焦点をぼかしたりした。それが嫌で独立したわけだが、ハウスメーカーの営業マンの中にも、同様に自社の商品に縛られるのが嫌で、本当はお客様の目線で、お客様本位の家づくりのお世話をしたいと願う営業マンも多いのではないだろうか。しかし、これはサラリーマンである以上は仕方のないことだ。会社という組織から給料をもらい、生活している以上、会社を責めるわけにはいかないのだ。
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