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木材の「川上、川下」の流通は消滅した

2011.10.07

新素材は、製造過程で環境汚染物質を生み、また廃棄されるときにも環境破壊の原因となっている。環境のことを考えるとこれらの「安価」な素材は、とてつもなく高価なものになりかねない。木材の流通で「川上、川下」という言葉があった。川上の山で育った木を伐り、いかだにして川に流し、川下の町で製材して住宅を作る。川の流れを使った運搬方法が川下の素材を川上が供給するという関係を作った。今では川上、川下の関係は崩れ、日本全国を船やトラックで日本全国をかけ巡る。他で育った杉が秋田や吉野に運ばれて、秋田杉や吉野杉として東京へ運ばれる。日本全国どころか、流通はグローバルになり、海外からの木材が八〇パーセントを占めている。日本の山に木材がないわけではないのだが、わざわざ海外から調達されている。こうなった原因をおおざっぱにまとめれば、日本の産業構造そのものにある。何百年という歳月をかけて育て上げた日本の山は荒廃し、日本の木を使った木造文化も消えていった。民家の野太い梁や大黒柱を新築の家で見つけることはもはや不可能である。日本の農業が崩壊し、食料の自給率が低下していくのと同様のことが起きたのである。

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