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前世代の不始末で糾弾される

2011.11.18

「勘弁してくれよ。家族水入らずで、飯ぐらい食いたい。話は明日だ」と温厚な理事長が気色ばんでやっと振り切った。理事長も、会計理事も、じつは長く続いた「ボス支配」からの脱却、改革の切り札として役員に選ばれた。それまでマンションは「老人会」のメンバーが交代で理事長を務め、百数十万円をかけた大規模修繕を、五年間隔でなんと「二度」も行っていた。一般に大規模修繕は十数年に一度とされている。常識を逸脱した行為だ。

[参考]
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しかもその発注は理事会のメンバーが関係する会社を通して行なわれている。他の住民が不透明さに気づいたときには会社は倒産し、大規模修繕に使われた改修工事図面も消えていた。マンションは大騒ぎとなる。管理会社が帳簿類を細かくチェックして「不正な処理はない」との結論が得られたが、ボス理事長以下、理事会の理事は責任をとって総退陣した。そこで人事を一新、再出発を、と理事長たちが理事に選ばれたのだった。が、人事刷新は裏目に出た。役所を定年退職し、管理組合活動に携わったばかりの会計理事が「正義感」を振りかざし、いったん決着をつけた決算書類を精査して、ここがおかしい、あそこもおかしいと蒸し返し始めたのである。理事会の席で、体調が悪く、あぶら汗を流す理事長は、幾度も糾弾された。もとは前世代の不始末だ。他の理事が理事長を擁護すると会計理事は「うるさい。黙れ」と逆上する。じゃあ不正をあぶりだしてどうする。老人会を血祭りにあげて裁判でも起こすのか、と問うと黙るが、「いかんもんはいかん」とまたぞろ重箱の隅をほじくるのだ。与えられた職務には忠実だが、大局がまったく見えていない。