固定金利の代表格である住宅金融公庫を使える条件は次の四つ。(1)建設した住宅を自分で所有し、自分が居住すること(2)申し込み日現在七〇歳未満であること(3)毎月の返済額の五倍以上の月収があること(4)日本国籍の方または永住許可などを得ている外国人の方(3)を除けば難しい条件ではない。住宅購入というのは安いものではないため、若い人にはこの(3)の条件を満たすことはなかなか厳しい。ゆとり返済が考え出されたのもそのため。公庫から二〇〇〇万円借りたいと思った場合、月々の返済額は九万二七六〇円(二・八%、二五年均等払い)。その五倍の月収は四六万三八〇〇円。すなわち年収は五五六万五六〇〇円なければならない。年収であって、所得ではないとはいえ、若い人にはクリアするのは厳しいだろう。Aさんはせいぜい四二〇万円の年収であって、月収は三五万円。月々の返済額限度は七万円。融資限度額は一五〇〇万円しか借りられないことになる。とすれば、必要な残り五〇〇万円分はほかのところで調達しなければならない。そこで威力を発揮するのが、銀行などの民間ローンである。民間ローンの収入基準は、住宅ローンをすべて合算して年収の四〇%以内の返済額であることとなっているから、このAさんの場合、年間一六八万円までローン返済に充てられる。月々一四万円だ。とすれば、銀行が同じ金利だとしたら、三〇〇〇万円まで借りることができるという計算になる。五〇〇万円くらい余裕で借りられる。ここで問題になるのは、銀行ローンは基本的に変動金利であることだ。現状では同じ時期を基準にする限り、変動金利は固定金利より確実に低い。同じ日に申し込めば間違いなく変動金利のほうが固定金利より一パーセント程度は低い。現在は銀行の変動金利が二・三七五%、住宅公庫も変動金利並みに二・六〇%と低いが、これは異常な状況であって(だからこそ新規借り入れは住宅公庫の固定金利でとお勧めするのだが)、通常は銀行の変動金利は一%以上の金利差で住宅公庫に対抗しているのであるにの変動金利自体の低さが大きな力であると同時に、それに伴うデメリットもある。
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