戦後の日本が高度経済成長期の「資本不足」の状態から、バブル経済崩壊後の「資本過剰」の状態に移行するに従って、不動産市場も変化を遂げてきました。そして不動産価格が収益還元法で評価されるようになった時期に、世界経済のグローバル化か大きく進みました。技術の高度化を伴ったグローバリゼーションによって、日本の不動産市場・土地の価格も「二極化」の洗礼を受け、また世界的な金融危機の煽りを受けてきました。グローバリゼーションはなにか疫病神のようにも思えますが、それは今回の金融危機と重なった側面と、先進諸国の失業の増大にばかり目が向いてしまっているためです。実際、グローバリゼーションは多くの新興国に所得の上昇をもたらしました。価格の均一化によって、先進諸国の賃金・地価は相対的には下落しましたが、新興国では逆に上昇しています。グローバリゼーションによって、「人類史上初めて」世界が1つの市場になりつつあります。その過程で多くの摩擦が生じていますが、私たちはそれを克服して、前へ進む努力を続けるべきだと思います。第1に、市場経済のもたらす「社会的分業」の利益が、地球規模の分業によって飛躍的に増大したからです。また第2に、資本主義に基づく「迂回生産」の利益が、工場の最適立地や原材料の最適調達、販路の拡大によって、大きな可能性を広げました。しかしながら、第2の点に関しては、いまだに安定した国際金融システム、通貨システムが確立されていないために、世界各地で頻発する「マネーの暴走」が引き続き大きな懸念材料となっています。
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